黒木陽子の「私はこんな海外ドラマを見てきた」
vol.57 人の育て方


今回はこれ!



『グッド・ドクター 名医の条件』(2017年-,ABC,アメリカ)
韓国で大ヒットしたドラマのリメイク。(韓国版は未見です)
自閉症でサヴァン症候群の青年が外科医を目指して研修医として病院で人の命を救ったり救えなかったり、指導医や上司や同僚がやな奴かと思ったらいい奴だったりする。

主人公のDr.マーフィーは自閉症なので、「外科医として人の命を預かれるのか?」「コミュニケーション能力に問題あり」という周囲の問いかけに常に晒されているのですが、空間把握能力が優れていて、だからこそ他の人が見抜けない病気に気付けたりするのです。まあ、大なり小なり、みんな欠けたところと秀でたところがあるんだよな〜だから多様性って大切よね…。と思ったり、いや、でもそれはドラマだからそうで、実際に自分の家族の大切な手術の担当がDr.マーフィーだったら受け入れられるのか?と思ったり。

で、まあそれがこのドラマの面白いところなのですが。
(韓国版も見て見なければ)

私が「おお!」と思ったポイントは、そこではなくてですね。

研修医の研修方法にグッときたのでした。

手術の時、割と深刻な時でも、指導医が研修医たち(主人公の他にもいる)に聞くのです。
「治療法は?」
って。

尋ねられた研修医たちは、それぞれの仮説を言い合います。で、最終的に指導医が治療法の判断を下す、というようになっているのです。
それがうまくいけば評価されるし、よくなければ評価が下がる。

だもんで、研修医は常に最新の治療法を勉強し、それを共有しあうのです。
勉強するのは研修医の仕事。判断を下すのが指導医の仕事。

なるほどな〜。うまいことできてはるわ。
そういう風にお医者さんって育てられるんですね(いや、ドラマなので、本当はどうだか知らないけれど)

私も歳を重ねてまいりまして、年齢や私よりはキャリアの短い人に指導するような場面が多くなってきまして。
「そうか、そうすればよかったのか…」と、勉強になることしきりでした。

韓国版のドラマでは研修システムはどう描かれているのかな。
日本版もあるんですよね。
比較して見たら面白い・勉強になるのでは?と、思っております。

ドラマは一話ごとに2~3つくらいの患者さんたちの話が同時に進むので、テンポよく、普通に見やすく楽しいドラマです。出てくる役者さんたちも魅力的やしな。

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今月の黒木



★1:演出する作品『もえぎ』の本番があります!
小学生向けの45分程度の作品ですが、かなり王道少年漫画感が強くてですね、どなたも楽しめる作品になりそうだという実感があります!悪霊たちが声を揃えて「「許さない許さないのだよ〜」」とか言ったりする感じがたまりません。

こみねっとプロデュース公演『もえぎ』
2021/10/1-2 @文化パルク城陽
https://lhx23.linkclub.jp/kominet.net/produce/moegi2021.html

★2:衛星新作の創作稽古をしています
数学も語学も人に伝える手段なのだなあと強く思っています。フラクタル図形を覚えましたよ!
劇団衛星『フラクタル、カオス、対数渦巻く電脳空間を覗き込む、ガリヴァー』
2021/10/30-31 @KAIKA&オンライン
http://www.eisei.info/gulliver2021/

★3:ユニット美人の公演準備をしています
オンラインドラマで作った「岩戸山ミステリー」を舞台版にするべく、台本を書き直したりしています。
ユニット美人連続ドラマシリーズ第5弾『岩戸山ミステリー2021』
日時 2021年12月4日(土)-5日(日)
会場 KAIKA