黒木陽子の「私はこんな海外ドラマを見てきた」
vol.45 今にそれを持ち出すと思ってた!


今回は、これ!



『グレイス&フランキー』(Netflix2015- アメリカ)
70代半ばの女二人が主人公(グレイスとフランキー)。グレイスは元美容商品の会社を立ち上げるなどやり手の実業家で今は引退。そしてフランキーは自由を愛し絵を描いたり市民活動に熱心。二人の夫は離婚弁護士事務所を共同経営しているが、妻である二人はそりが全然合わなかった。しかし突然夫たちに「わたしたちはゲイで結婚するから離婚したい」と言われて離婚することになり、2家族名義で購入した海辺のビーチハウスで共同生活を送り始める。娘たちや息子たち、別れた夫たち、そして彼女たち自身もいろいろある。

前回の予告でも書いたのですが、大好きなドラマ『フレンズ』の脚本家マルタ・カウフマンが脚本を手掛けています。(アメリカのドラマはチームで脚本書くので全部彼女が書いているわけではないのですが。メインクレジットです。)

とにかく、ジェーン・フォンダ演じるグレイスがカッコいいのです!
つけまつげを外して、ヘアピースを外し、顔のリフトテープを外して、鏡をしげしげと見つめる姿。
寂しそうなフランキーの元から立ち去るか、戻って「一緒に暮らそう」と言うかの葛藤を、背中と握りしめた拳で表す姿。
誇り高くいようとするが、それを保てず崩れる様。それがカッコいい。

おそらく、私の人生の延長上には無いんだろうなあ。ハイヒールじゃないし。

一方のフランキーも自由な芸術家!というばかりではなく、それを全うできていない様がすごく苦くてしみじみとします。

加齢に怯えた時、ぜひ。人生こういう風に生きたいなあと思えるかと。

しかし、アメリカで自由とか無鉄砲さを描くとき、必ず出てくるのがマリファナとかマジックマッシュルームとかのドラッグ。そして自由になりきれないが自由な気分になりたい人が手にするのがワイン。これは日本じゃあ無理やな〜。お酒はともかくマリファナがなー。


ちなみに「今にそれを持ち出すと思ってた!」と、過去の落ち度を相手が責める時に言うセリフが出てきた時はニヤリとしました。『フレンズ』でも使われていて、私はこの言い回しが大好きなのです。それもあって『フレンズ』を見返したのですが、『フレンズ』めちゃくちゃ面白いな!秋には再開版が放映されるそうなので、本当に楽しみにしています。