黒木陽子の「私はこんな海外ドラマを見てきた」
vol.30 それからどうした

今回のドラマは、これ!



『ブラック・ミラー』
ざっくり言うと『世にも奇妙な物語』『藤子不二雄SF短編集』『トワイライトゾーン』「星新一のショートショート」の現代版です。
現代の技術(スマホとかSNSとかVRとか遺伝子操作とか)からちょっと先に、あの、いや〜な感じに拡張されたと思ってごらんなさい。ほら、面白そうでしょう。面白いです。あと幽霊とかは出てきません。SFです。1話(50分前後)完結、毎話毎違う話、1シーズン4話程度で現在シーズン4まで、なので見やすいですよ。
(2011-14Channel4,2016-Netflix/イギリス)

イギリスのドラマはいいね!もっさりした俳優さんをちゃんと起用しているから、こういうドラマにぴったりですよ。
美人な人は美人だし、普通の女性は普通だし。イケメンもいれば普通の顔の男性もいて。顔に皺があり、体型ももっさり、髪ももっさり。もっさり最高。



それはさておき。

このドラマがいいなぁと思うのは、ネタバラシした後に「それからどうなった」を描いているところなんじゃないかと思うのです(描いてないエピソードもあったかも)。
「あれ?これ、なんか変だな?どういうこと?」→「実は〜〜でした!」と、わかる瞬間というのが、短編の物語では一番の美味しい部分なんだけれども、その一番美味しいところを味わった後でさらに20分くらい続いて「さて登場人物はそれからどうしたでしょう」という登場人物の決着というかその後が見られるのですね。そこが、人間のドラマを見たなーという気になれるポイントです。

私くらいのショートストーリー好きになるとシーズン4まできたら「ははーんなるほど。これはおそらく、二人は実はロボットでしたってオチね!」と2割くらいはわかっちゃうんですが(打率低っ!)、たとえわかったとしても、その後からその状況に置かれた人間のドラマが始まるので、見ていて飽きないし、ついもう一度見たくなっちゃうのです。

上流社会ぽい雰囲気から、現代的なハイテクマンション、モンティ・パイソンで見た!庶民の家(ボロボロ)!、どこまでも続く草原の丘…私にとって憧れのイギリスの風景がたくさん見られて嬉しい限り。

あと、かなりどうでもいいんですが、とあるエピソードで日本人ゲーム会社社長が「It’s fun!」の意味がわからず通訳してもらっていたのにはなんというか英語話者の驕りみたいなものを感じてちょっとねーと思いましたよ。
funくらいわかるわ! 片言の通訳者「“とても面白い”と言っています」ってねえ!バカにしないでいただきたい。
少なくとも、イギリスでゲーム会社作ってるくらいやねんからわかるやろ。どんな言語でプログラムしてると思ってるねん。
いや、ほんとどうでもええんですけどね。

・・・待てよ。あの世界では、通訳も全部アプリがやってくれるから、外国語を全く勉強しなくなっているということか!?まさかそんな。