黒木陽子の『あたらしい行事』10月編


10月5日
トイレ供養

トイレの日。東アジア文化圏の行事。特別な装飾の描かれたトイレットペーパーを祀ったり、便座カバーを掛け替えたりして、トイレの神様に祈りを捧げる。

<由来>
諸説存在する。
肥溜感謝説:収穫の時期にその命の源となった堆肥に感謝を捧げるために農村部から始まったとする説
逆流封じ説:人々が都市生活を始めた際、排泄物の処理が問題化した。便所の容量が溢れないよう、また水洗トイレが逆流しないよう、便所の神の怒りを鎮めるために祈祷師を呼んだのが始まりとされる説。
お釈迦様説:お釈迦様が苦行をやめ、乳粥を食べた時、お腹を壊してしまい、村の娘が便所まで案内してくれたという故事から始まったとされる説。
他にも、弘法大師下水開通説、ぼっとん便所はまり事件説、などいろいろある。

<ひろがり>
東北のなまはげのように、糞尿地獄の鬼が各家庭をまわり「便所きれいに使ってるか〜?」と子どもを戒める地域もある。
また、近年では先進的なニューヨーカーの間でトイレ哲学が流行しており、欧米にもひろがる兆しが見える。