『あなたの知らない三国志の世界』 第六回「ユニット美人の三国志とはいったい何だったのか2後」 11月4日でユニット美人の三国志vol.0〜4まで終了いたしました。 ご来場、まことにありがとうございました。観にいけなかったけど応援していたよ!という皆様も、ありがとうございます。 この連載では、作品について語っていこうと思います。自分で自分の作品解説なんて、どうなんだい、それなら芝居にするなよ…というようなことを書いていきますので、そういうのが嫌な人は読まない方が良いがと思います。 *** ●前回までのあらすじ 『三国志』をやるにあたり、「劉禅を救え!」という物語を思いついた黒木。「戦争」をもう一つのテーマにすることにして、意気揚々と作品執筆にとりかかるのだったが… その2後:「さいごのモチーフ」 ○お前は○○の為に産まれてきた。 ところが、テーマを前に、さっぱり書けなかった。戦争なんだから、武将たちの群像劇で、現代の女性が三国志の世界にやってきて、価値観の違いに戸惑い、ツッコミ、なんやかんやして…ほら、面白そうじゃん!と、自分を鼓舞する虚しい日々。 全然面白くない。 だって、私、三国志自体興味無いし。そもそも、主君の為に命がけになる彼らのメンタル、理解できないし。 と、どうしようもない言い訳を誰に向かってするでもなく、ぐるぐる巡る日々。 そんな中、準備公演と銘打ったvol.0の公演日は容赦なく近付いてきます。 まずい。これはまずい。 そこで、まずは粥見のキャラクターを肉付けすることにしました。モデルは姪。しっかり者の姉と、子どもの頃甘えん坊でおミソ扱いだったくせに大人になって成功者(姉から見て)になった弟。なんとなく腑に落ちない。 そんな弟が三国志好きということもあって、三国志がなんとなく嫌いだ。 そんなキャラクターが三国志の世界に放り投げ出されたら… 結局、vol.0は、そういった状況や装置のみ仕掛けて、そこにキャラクターを流し込む形で書きました。 「お前はこの男を救う為に生まれてきた」と繰り返し言い聞かされるものの、特に何もできず、救う男はそっちのけで「この男探し」のおしゃべりに夢中になったり、「自分こそが救う!」とライバルとの競争に夢中になったり、結託してきゃはきゃはしたり… 作品は自分を映す鏡でもありますが、唖然としました。 まさか、こんなに自分が誰かの為に生きない人間だったとは。 そして、すっかり姿を消した戦争モチーフ。 私には戦争に対する熱い思いなど、無かったのです。 落ち込みました。 (つづく) |
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