黒木陽子の『こんな部屋に住んでみたい』
じゃなかった『住まなくても都』番外編その19です。

今回はこんな部屋に住みたい!と思った映画やドラマの登場人物の部屋を紹介したい。
そして、私の部屋との違いや、どうして理想と現実がかけ離れるのか、検証していきたいと思う。

※ちなみに、すべて私の記憶の中の部屋であって、映像の中の間取りと微妙に違うかもしれません。

その1:キャリー・ブラッドショーの部屋

言わずと知れた『SEX and the CITY』の主人公、
ニューヨークの売れっ子ライターキャリーの部屋。

弁護士ミランダの部屋や、イケイケ姐さん、お嬢さんの部屋じゃなくて、どうしてキャリーの部屋に憧れるのかというと、それは窓だと思う。

ドラマを見た方はご存知だと思うが、キャリーがMacを開いて書き物をする机は、窓に面している。風がレースのカーテンを揺らし、その側にはグラスに水。
窓から見えるのはきっとマンハッタンの町並み。(そういやあんまり描写が無いな)
そしてその窓から恋人の来訪を知るのだ。

【検証】
私の部屋にも窓はある。机も置いてある。
ただ椅子が無い。


その2:アメリの部屋

私世代(33歳±5歳の人)の女子心をつかみまくった映画『アメリ』。
その主人公アメリの部屋。

アメリは古いアパートに住んでいるのだけれど、置いてある小物や雑貨、壁紙など、とにかくもうかわいいのだ。ちょっとダークな色合いの赤い部屋。
陽当たり&風通し命の私ですが、あんな風に好きなものに囲まれて住みたい。

きっと「インテリアの参考に…」って紹介されやすい映画の代名詞だとも思う。

【検証】
以下の条件が必要だ。

 ・敷金あきらめる
 ・壁紙を吟味するセンスと時間を持つ
 ・壁紙を張り替える勇気を持つ

これをクリアすればいいだけ。簡単だね!
私もアメリの部屋を参考に…って、できるかーっ!!


その3:キキの部屋

『魔女の宅急便』のキキの部屋。
下宿?居候?しているパン屋さんの屋根裏部屋だ。

魔女見習いの身の上、裸一貫で飛び出したため、部屋にあるのは必要最低限のものだけ。
アメリの部屋に憧れる一方で、こんな部屋にも憧れる、という私みたいな人も多いのではないだろうか。
どっちかにしろと言いたい。ごめんなさい。

ワードローブも黒一色だし、収納にも悩まないだろう。
書類とか、溜まっていく名刺とか、レシートとか、防虫剤とか、試供品とか、Macの空き箱とか、便座カバーの替えとか、子どもにもらったおもちゃとか、思い出のお土産とか、そんなのは無いのか。

あと、屋根裏部屋って、夏暑くて冬寒い。
「住むなら地下室ですよ」
って、誰かが映画か小説で言ってた気がする。

【検証】
キキより20年多く生きてきたので、捨てられない物がある。
あと、電気の世界に生きているので、あふれる電気類のコードはもう、エヴァンゲリオンのようにどうしようもない。
でもちょっと多すぎる気もする。


その4:幸田文の部屋

最後は幸田文。私の永遠の憧れだ。
映像どころか、写真ですら見たことがない。

黒光りするような廊下や柱、そして障子にふすま、和室の隅に文机を置いて執筆活動をするのだ。
あるべきものがあるべきところに納められていて、電気のモーター音もしない。

床の間には季節の花が活けられているが、お勝手にもそのおこぼれの花がグラスに活けられたりしている。

憧れるわ〜。空想やけど。

【検証】
和室じゃない。
幸田文がそんな家に住んでいたか、そもそも知らない。
掃除をしなければ。

ーー
いかがだっただろうか。

映像の部屋に憧れるのは、一般人がパリコレやなんかのショーモデルのファッションに憧れるようなもの。
美術さんがそのプライドをかけて作り上げている部屋なのだ。
電源コードの配線や、掃除のしやすさ、そんなものは一切無視して作られている。
あと、欧米では賃貸の部屋であっても、壁紙を張り替えたりするらしい。
(奇麗だったらかえって家の価値があがるらしいよ!へー)

だからそんな映像の部屋、しかも欧米の住宅事情の違う部屋に憧れるのは馬鹿げている!ということではない。
いや、むしろ馬鹿上等。
ステキ部屋映像から目を離したときの自分の部屋の惨状にがっかりして、ちょっとでも部屋を整理整頓していく原動力にしていきたいと思う。

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さて!

そんな私が今気になるのは、三国志の武将たちの部屋だ(特に前半)。
武将たちは、簡単に国を追われて流浪したりするんだけど、追い出された部屋にあった思い出の品とか、大事な書類とか、気になる。

きっと簡単じゃないな、と思う。

そんな感じの視点から描かれた三国志です。今年一年シリーズで続けて行くので
機会があればぜひどうぞ↓


ユニット美人の三国志vol.0
『蒼天、お前はすでに死んでいる』
会場: KAIKA
日時: 2012年5月19日(土)15:00/19:00 20日(日)14:00
料金 1,500円

(gate#7参加作品です。上演時間30分。)
チケットはこちらから
http://ticket.corich.jp/apply/35402/004/